【眠りを深くする方法】東洋医学が重視する肺と気虚へのアプローチ

不眠症

東洋はり灸整骨院 院長の石丸です。

今回は「睡眠が浅くなる原因」と題して、質問にお答えする形でご説明します。まずはこちらの動画からご覧ください。

【動画解説】睡眠が浅くなる原因

※効果には個人差がございます。

東洋医学では「肺の弱り」が関係すると考える

五臓の肺

眠りが浅く、夜中に何度も目を覚ましてしまうことにお悩みの方も多いと思いますが、東洋医学ではどのように考えるのでしょうか?

歴史の長い東洋医学ですので、現代医学とは少し異なる考え方をします。

現代的には、スマホの見過ぎやストレスによって交感神経が優位になり、眠りが浅くなるケースが多いと思います。そのうえで、東洋医学では、五臓六腑の肺の弱りが関係していると考えることが多いです。

もちろん、入眠障害、つまり寝つきが悪いケースでは少し考え方が変わってきます。しかし、何度も目が覚める中途覚醒タイプは、肺が弱っているケースが非常に多いと感じています。

厳密には、「元気の気が虚しい」と書く、気虚(ききょ)の状態になると、眠りが浅くなると考えられています。

鍼灸施術によって東洋医学でいう肺の働きを補い、気虚の状態が改善すると、眠りが深くなるケースは非常に多いです。

肺が弱っている方に見られやすい特徴

疲労

肺が弱っている、もしくは気虚の方には、以下のような特徴が見られます。

  • 疲れやすい
  • 疲れているのに眠りが浅い
  • 日中にだるさを感じる
  • 鼻の不調(慢性鼻炎、花粉症、鼻づまり)
  • 皮膚トラブル(汗をかきやすい、または汗をかきにくい)
  • 末端冷え性
  • 便秘、下痢
  • 風邪をひきやすい
  • 胸毛が生えている
  • PMS
  • ストレスの影響を受けやすい

午前3時〜5時に目が覚める人は肺が関係している?

睡眠時間

また、東洋医学には子午流注(しごるちゅう)という考え方があります。

もし午前3時〜5時頃に目が覚める場合、この時間帯は「肺の時間」とされているため、東洋医学では肺の弱りが関係していると考えます。

呼吸器科の医師に「眠りが浅いのは肺が弱っているからと聞いたのですが」と相談しても、なかなか理解されないかもしれません。

しかし、東洋医学では、肺が弱っている方は眠りが浅く、この時間帯に目が覚めやすいとされています。また、辛いものが好き、もしくは苦手という方も非常に多く、味の好みに偏りが出やすい傾向があります。ネギが好きな方も多い印象です。

辛いものが好きだと、肺が弱いということでしょうか?

いえ、好きと苦手、どちらかに偏る傾向があると考えてください。どちらかといえば、好きな方が多い印象です。ちなみに、あなたは好きじゃないですか?

そうなんです。お話を聞いていて、かなり当てはまると思いました。胸毛もありますし、風邪をひくと咳が1〜2か月続くこともあります。

そうであれば、肺の弱りが関係している可能性はあると思います。

睡眠だけを見るのではなく、全体を見ることが重要

睡眠

病院では「眠れない」と伝えると睡眠薬が処方されることが多いと思いますが、東洋医学的には肺にアプローチする方が重要ということですね。

もちろんです。例えば、眠りが浅い方が10人いたとしても、その他の症状は全員違います。さらに、複数の不調を抱えているケースも非常に多いです。

そのため、「眠れない」という症状だけに対して薬を使うのは、東洋医学的には対症療法という考え方になります。大切なのは、症状が出にくい体をつくること、つまり「森全体を見て木を治す」という考え方です。

そのため、睡眠トラブルでお悩みの方には、以下のようなことも確認します。

  • 目が覚めやすい時間帯
  • 味の好み
  • 生理前後で悪化するか
  • 片頭痛や肩こりの有無

こうした全体像から原因を探ることで、睡眠だけでなく他の症状も改善していくケースも多くあります。

一方で、眠れないという症状だけに着目すると、薬に頼り続ける状態になりやすく、根本的な改善にはつながりにくいと思います。東洋医学は体全体を整えて改善を目指し、西洋医学は症状を抑えることを得意としていると理解するとわかりやすいと思います。

薬に頼り続けないための考え方

薬に頼っている方も多いと思いますが、先ほどのような症状に心当たりがある方は、東洋医学で根本的な改善を目指せるということですね。

その通りだと思います。私は西洋医学を否定しているわけではありません。しかし、根本改善という視点では限界もあると感じています。

もちろん、西洋医学の薬は即効性が高いので、「明日大事な会議があるから今日は絶対に寝なければいけない」という場合には必要だと思います。

ただし、長期間服用を続けることで、さまざまな負担が出る可能性もあります。そのため、症状の出にくい体をつくりたいと考えるのであれば、東洋医学は非常に相性が良いと思います。

家でできるセルフケア

ストレッチ

寝る前にスマホを見ないなど、自分でできることもあると思いますが、その他に自宅でできるセルフケアなどはありますか?

セルフケアだけで、先ほどお話ししたような症状をすべて改善するのは難しいと思いますが、東洋医学で肺の働きを高めることは非常に重要です。

しっかりとした施術を受けることを前提に、ご自宅でできることとしては、ネギ・大根・レンコンなど、呼吸器を助ける食材を取り入れると良いでしょう。また、適度な運動で心肺機能を高めることや、孔最というツボにお灸をすることも、肺を補う助けになります。

ただ、くり返しになりますが、セルフケアだけでは限界もありますので、プラスになる方法として考えていただければと思います。

足りない部分は、東洋医学で整えていくということですね。

そうですね。東洋医学には「未病を治す」という考え方があります。

病気になってから対処するのではなく、不調の段階で整える方が効率も良く、将来的な大きな病気の予防にもつながると考えています。

石丸昌志

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