
東洋はり灸整骨院 院長の石丸です。今回は「どうすれば病気になる?」と題してお話ししたいと思います。
もちろん、病気にはその人の体質や遺伝子的な要素が影響します。しかし、その他にも病気になりやすくなる要因はあるので、お伝えしていきます。
【動画解説】4つの健康習慣について
体は食べ物でできている
まず、病気になる要因として圧倒的なパワーを持っているのが食べ物です。
私たちの体は100%が食べ物でできています。1年半ほど前の体はすべて生まれ変わっており、もうこの世には存在しません。人間の体は1つのかたまりのように見えますが、実は60兆もの細胞の集まりなのです。そして、この細胞は常に入れ替わっており、ずっと同じものではありません。
細胞の入れ替わりにもっとも時間がかかるのは骨ですが、それでも1年半ほどですべてが入れ替わります。この細胞の原材料が食べ物なので、食事が不適切だと、最終的に形成される体にも悪影響を及ぼすことになります。若いときは浄化能力が高いため、食生活が多少乱れていても対抗できますが、年齢とともに浄化能力は落ちてくるので、食べ物が非常に重要になってきます。
危険な食べ物
とくに気をつけるべき食べ物は下記のとおりです。
- 小麦
- 乳製品
- 油
- 砂糖
- 添加物 など
このほかに農薬なども含まれますが、これらは危険な食べ物と認識しましょう。
激変した食文化
和食の変遷に関する資料によると、日本人が食べていたものは、縄文時代から1945年の昭和初期までは、大きく変わっていません。しかし、1945年以降の戦後になると、まったく異なるものが食べられるようになりました。これは敗戦により、日本の食文化が変えられてしまったためだと考えられます。私(院長)の小学校6年間の給食は、毎日がパン、牛乳、マーガリンというメニューでした。月に1度ほど米飯の日がありましたが、米飯の日でさえ牛乳は出されていました。
古来の日本人の食事を考えると、ご飯と味噌汁、漬物にお茶が基本のはずです。しかし、日本人の食べ物は戦後、GHQによって小麦や乳製品などに変えられてしまったのです。縄文時代から1945年まで、ほぼ変わらなかった食べ物を急に変えてしまえば、病気になるリスクが高まるのは当然のことです。
死亡原因の変化
余談ですが、1930年代のガン患者数は非常に少なかったようです。当時の死亡原因の第1位は結核です。そのほかには胃腸炎や肺炎とされていますが、現在のようにガンが圧倒的多数ではありませんでした。
1945年以降、食べ物が変えられた結果、1955年にガンが死亡原因の第5位に入り、1980年代には第1位となります。このことからもガンの原因は遺伝ではなく、食べ物に起因する可能性が高いと考えられます。
フライパン運動
戦後、食文化を変えられたとお話ししましたが、その1つでもある「フライパン運動」はご存じでしょうか。
フライパン運動とは、戦後の栄養不足を補うために行われた、油料理の普及を目的とした栄養指導の一環です。この運動では油の必要性を強調し、積極的に油を使用することが推奨されました。
しかし、日本人は本来、魚の脂を摂取する程度であり、一般的には油を多く摂ることはありませんでした。この歴史から考えても、炒め物や揚げ物などの大量に油を使う料理は日本人の体には合わないと言えます。このようなことをしているから、ガンなどの病気が増えているのでしょう。
喫煙と肺ガン
また、現在タバコを吸う人は減っています。私の小学生時代には電車や飛行機の中だけでなく病院でも喫煙が可能でしたが、今ではタバコが吸える場所は限られています。喫煙者の数自体も減少していますが、肺ガン患者の数はどうでしょうか。
実は肺ガン患者はこの40年間で7倍にも増加しています。この事実からも、肺ガンの原因は喫煙ではなく食べ物にあると考えられます。もちろん、ガン以外の病気に対しても食べ物は非常に重要な要素です。
あなたはあなたの食べたものでできている
英語のことわざに「You are what you eat.」というものがあります。これは「あなたはあなたの食べたものでできている」という意味です。この言葉からも、病人の増加には、戦後に食べ物が変えられてしまったことが大きく関係しているとあらためて感じます。
では、われわれ日本人は何を食べると良いのかというと、やはり和食です。私もまれにラーメン屋や洋食店に行きますが、基本的には和食しか食べません。私は25年以上、玄米を食べており、食事の95%は和食です。残りの5%は和食以外も食べますが、縄文時代からの食文化を考えると、やはり体には良くないと思っています。
睡眠と血液の浄化
病気になる要因の大部分は食べ物が占めますが、その次に重要なのは睡眠です。睡眠については、「何時間、寝ているか」よりも「何時に寝ているか」が重要です。東洋医学では夜中の1時から3時は肝臓の時間とされており、この肝臓の時間に寝ていないと、血液が浄化されにくくなってしまいます。
睡眠時には全身の血液の3分の2ほどが肝臓で浄化され、残りの3分の1をぐるぐるとまわしています。そして、起床と同時に肝臓から血液が全身にめぐることでまた1日、生活ができるのです。ですので、肝臓の働きが活発な1時から3時に睡眠をとらないと、血液の浄化が行われず、結果として血液が汚れてしまい、病気にかかりやすくなります。
東洋医学では「万病一元 血液の汚れから生ず」といわれます。睡眠に加えて、先ほど紹介した小麦や乳製品などの食べ物も血液には良くないので、ご注意ください。
運動と生きがい
また、病気にならないためには運動も重要です。当然ですが、運動をしなければ血液循環は悪くなります。従来、人間は動物なので、適度な運動は必要なのです。
そして最後に、生きがいを持つことも大切です。やはり、前向きに生きることが体の健康にとっては重要だと思います。「心と体はつながっている」ということは東洋医学の理論の原点です。五臓六腑と感情はつながっているので、生きがいを持つことで精神的に満たされると病気にもなりにくいわけです。
おわりに
今回は「どうすれば病気になる?」についてお話ししましたが、やはり病気になる要因の圧倒的1位は食べ物です。
日本人が食べてきたものは縄文時代から終戦まではほぼ変わっていません。日本人が長年、食べてきたものが日本人の体に本当に合うものなので、健康のためには食事を重視してください。