
鍼灸に対して、痛い・熱い・怖いといったマイナスイメージを持っている方は多くいらっしゃるでしょう。
たしかに、身体に鋭い鍼を刺す、熱いお灸を置くといった行為は苦痛を伴うかもしれないと不安に感じますよね。本当に効果が期待できるのか疑問に感じている方も少なくないはずです。
鍼灸に対するマイナスイメージはほとんどが誤解によるものであり、信頼できる鍼灸院で施術を受ければほとんど苦痛はありません。さらに、東洋医学は西洋医学とまったく違う観点でアプローチを行うため、鍼灸でしか得られない効果もあります。
本記事では鍼灸に対して疑問視している方のために、特徴・本質・効果を徹底解説しますので、ぜひご覧ください。
「鍼は痛そう」は間違い
鍼灸に対して「鍼は痛そう」「本当に効果があるの?」といった声をよく耳にします。しかし、そのようなマイナスイメージの多くは「誤解」です。
鍼灸は、ただ痛みを取り除くだけの緩和ケアやマッサージの延長ではありません。
東洋医学では、体の「めぐり」の悪さこそが不調の根本原因と考えています。つまり、肩こり・頭痛・腰痛といったあらゆる不調は、めぐりが悪いことが原因で起きている場合が多いのです。
鍼灸の目的は「痛みを抑える」ではなく「通す」
現代医学では、痛みに対して薬を出したり、湿布やブロック注射を使うのが基本的なアプローチです。これらによりたしかに一時的には症状が和らぎますが、根本原因が放置されたままではまた同じ症状が起こってしまいます。
その点、東洋医学の鍼灸は現代医学、いわゆる西洋医学とは異なります。鎮痛剤や注射により痛みを抑えるのではなく身体のめぐりをよくする、これが東洋医学の本当の目的です。
西洋医学には「自分の身体を自分で回復させる」という概念はありませんが、東洋医学は「自分の力でめぐりをよくする」ことに重きを置いています。
髪の毛より細い鍼で誰でも安心
初めて鍼灸を受ける際、特に鍼に対して恐怖感を持っている方も多いでしょう。
当店の鍼は髪の毛よりも細く、皮膚の表面に軽く触れる程度です。そのため、「怖い」「痛そう」と思っていた方に「え、もう終わったの?」と驚かれることもよくあります。
心身ともに負担が少ないアプローチであるため、小さなお子様からご高齢の方まで安心して受けられますよ。
「響かないと効かない」は本当?
鍼を打つと「ズーンとした感覚」を感じられることがありますが、これを「響き」と言います。一部の鍼灸院では「響かないと効いていない」ととらえられていますが、当店では「響きは必要ないもの」と考えています。
ラーメンの味が店舗によって違うように、鍼灸に対する考え方や手法も、鍼灸院によって千差万別です。
鍼灸を受けるときに何よりも大切にしていただきたいのが、「自分の身体に合っているか」です。たとえ響きを感じられなくても「身体が楽になった」と感じるのであれば、あなたの身体に合っている証拠ですね。
「鍼が合わない」は本当?
「他の鍼灸院に行ったけど、鍼が合わなかった」と来店される方もいらっしゃいます。しかし、本当は鍼自体が合わないのではなく、「あなたに合う鍼灸」にまだ出会えていなかっただけなのかもしれません。
東洋医学では、「四診法(ししんほう)」と呼ばれる独自のカウンセリング法でお客様の体質や症状を深く読み取り、オーダーメイドの施術を行います。
四診法は望診・聞診・問診・切診の4つで構成されており、どれも身体の状態や根本原因を見つけるのに欠かせないものです。このように、東洋医学には身体の状態を内側から把握する方法が多く存在します。
つまり、高い技術を持つ施術者であれば、あなたにとって最適なアプローチができるはずなのです。
東洋医学は「筋トレ」と同じ
「東洋医学は効果が出るまでに時間がかかる」とよく言われますが、その理由は体を根本から変えるアプローチだからです。
身体を鍛えようと思って筋トレをはじめても、3日や1週間では変化が現れず、数ヵ月かかります。
東洋医学もこれと同じで、じっくりと時間をかけて身体の内側からよい方向に変えることを目標にしています。例えば、血液中の赤血球が入れ替わる約120日、つまり4ヶ月は必要です。
一見時間がかかるように感じるかもしれませんが、将来的に薬に頼らず自力で身体を回復させる力が手に入るとしたらいかがでしょうか。
西洋医学と東洋医学がそれぞれ得意なこと
西洋医学はレントゲンやMRIなどを使って見える「形」の異常を特定し、薬や手術で治療するのが得意です。その反面、レントゲンやMRIで異常が見つからない不調は苦手で、適切なアプローチができないこともあります。
東洋医学は形ではなく「機能」に注目します。
たとえば「冷え」「胃腸の弱さ」「乾燥肌」「疲れやすさ」など、目に見えない身体の働きを整えていくのが得意です。身体全体に対してアプローチを行い、不調をまとめて改善できるのも東洋医学の強みと言えるでしょう。
病気は「形」ではなく「働き」の低下で起こる
子宮筋腫や椎間板ヘルニアなど、多くの病気は「形」として現れます。しかし、なぜその形が現れるのか西洋医学ではハッキリと断言できないことがほとんどです。
東洋医学では「体の働きが落ちた結果、形(病気)が現れる」と考えます。例えば、冷え・乾燥・頭痛・生理痛などの不調を放置していた結果、10年後に子宮筋腫という形として出てきた…という具合です。
「火のないところに煙は立たない」ということわざがありますが、東洋医学でもまったく同じ考え方です。煙(病気)が出る前に火種(不調)に気づいて対処することで、大病を防げるのが東洋医学の強みでしょう。
【動画解説】鍼と灸の効果はどう違う?
東洋医学で「少しずつ前進」を目指そう
薬には即効性がありますが、根本から改善できるわけではありません。ただ痛みや数値を抑えているだけで、体の機能は改善されていないのです。
その点、東洋医学は一歩一歩の積み重ねで少しずつ身体を変えることができます。そして、将来的に「再発しない体質」と「根本的な健康」を手に入れられるのです。
自分の身体に合ったアプローチを受けて、本当の意味で「改善する」を体験してみてはいかがでしょうか。