人間の為の医療か、医療の為の人間か?【納税者の叫び】

痛みを相談する男性

院長の石丸昌志です。今回は「人間のための医療か、医療のための人間か」についてお話ししたいと思います。

これは『表現者クライテリオン』2023年11月号の過剰医療の構造の中で使われていた言葉です。患者のための本当の医療なのか、それとも医療産業のための患者なのかについて、鍼灸師として現場の意見を交えてお伝えします。

【動画解説】人間の為の医療か、医療の為の人間か!

これからお話する内容は決して西洋医学を批判しているわけではありません。しかし私は正しく税金を使ってほしいと考えているので、一納税者の観点から意見を述べさせていただきます。

210倍以上に増加した医療費

苦労

日本の医療費はこの70年で2100億円から45兆円にまで迫り、210倍以上に増加しています。もちろん貨幣価値が上がり、70年前と比較すると人口も1.5倍ほど増えています。しかし、これらを加味したとしても210倍以上もの増加は異常であるといえます。

この事実を知ると、やはり「医療のための人間か」と思わざるをえません。

医師を続ける気が失せるほどの衝撃

計算する医師

さらに「医療のための人間か」と思わされる内容が『表現者クライテリオン』には書かれています。この中で医師の森田洋之氏はあるデータから「医師を続ける気が失せるほどの衝撃を受けた」と述べています。

そのデータとは病床が増加すればするほど入院患者も増えているというものです。この病床の増減と入院患者数が比例している事実から森田氏は病床を埋めるために病人がつくられているのではないかと指摘をしています。

とくに地方ほど入院患者が多く、人口が少ないため入院率は高くなっています。これには満床にしなければ利益が出ないという経済事情が影響しているそうです。

森田氏はこのような医療産業の中ではまじめな精神ではとても医師を続けられないとしています。この内容はインターネット上の『PRESIDENT Online』にも掲載されているので、興味のある方はぜひご覧ください。

家畜化される患者

牧場の牛

さらに『表現者クライテリオン』には患者が家畜化されているとも書かれています。

たとえば、高血圧や糖尿病になると病院から「一生、薬を服用してください」といわれますが、これではまさに家畜化です。本来の医療とはどうすれば病気が治り、服薬の必要がない体にできるのかであり、医療の本質は患者様を減らすことなのです。

しかし現実は逆行しており、医療費は70年で210倍に増え、病床が増えるほど入院患者も増えているわけです

医療費と税金

将来不安な女性

日本の医療費は税金の使い道の中でも非常に高い比率を占めています。昨今の世界情勢から防衛費の増加はやむをえない面もありますが、建設費や教育費などはほぼ横ばいです。しかし医療費だけはひときわ目立っているわけです。

このやりすぎとも思えるほど高い比率から、私はかねてから「医療が産業化しているのではないか?」と指摘をしてきました。さらに私は税金をおさめている一納税者でもあるため、この件に関しては声を大にしていわせていただきたいと思います。

賢い患者になろう

石丸昌志

この問題の解決策は患者側が賢くなるしかありません。患者とは医療消費者です。医療消費者である患者が賢くなるほかに道はないわけです。

西洋医学の医師にすべてをゆだねるのか、それとも自分の健康のために寄り添ってくれる本当に信頼できる医師を探すのか、方法はいろいろとあるはずです。

皆さんが車を購入するときにはどのメーカーの車にしようかと考えると思います。これと同様に医療にもさまざまな選択肢があります。高血圧だからといってすぐに服薬するのではなく、運動を始める、食生活を見直すなどできることはひとつではありません。

医療消費者である以上、患者様が賢くならなければいけません。そうしなければ「医療のための人間」になってしまうので、意識の改革が必要になると思います。

おわりに

今回は「人間のための医療か、医療のための人間か」についてお話ししました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

石丸昌志