唾液過多症の鍼灸施術【20代男性のケース】

唾液過多症

東洋はり灸整骨院の石丸です。

今回は、唾液過多症についてお話させていただきます。

唾液過多症とは

唾液過多症

唾液過多症とは唾液が出すぎる病気で、西洋医学(病院)では、

  • 自律神経の乱れ
  • 消化器系統の異常
  • ストレス
  • 筋力低下や老化

などが原因と考えられています。

しかし、唾液腺自体には異常がないため、原因不明とされてしまうことが多いようです。

唾液には食物の消化を助ける働きがあるので、多少多いほうがむしろ良いのですが、多すぎると口を開けることが怖くなり、不快な症状や不眠症を引き起こすこともあります。

この唾液の分泌は自律神経に支配されています。

交感神経が優位な時はたんぱく質が多く分泌されるので粘りがあり少なく、副交感神経が優位な時には水分やイオンの分泌が多くなり、サラサラして多量です。

自律神経はコントロールできない

自律神経

自律神経はコントロールできないため、唾液の量や質も同様に自分で調節することはできません。不快な症状に苦しみ、いくつもの病院に通ううちにストレスが溜まり、さらに悪化することも珍しくありません。

すると今度は心療内科や精神科を紹介され、精神安定剤や睡眠剤を処方され、唾液過多の症状が改善しないまま薬漬けになってしまう危険性もあります。

続けて、そんな状態で当店にいらした方の施術ケースをご紹介しましょう。

Mさん(男性)のそれまでの経過

男性

Mさんは20代の男性です。

唾の出過ぎが気になり近くの内科へ行ったところ、よく分からないと言われ、紹介された耳鼻咽喉科に行くことにしました。そこで検査を受け、唾液過多症であると診断されたのです。

しかし、耳鼻咽喉科で言われたのは「唾液を止めることは不可能だから、気にしても治らない。普段通りの生活を送るように。」ということでした。

気にするなと言われても、口の中の不快感はなくなりません。

Mさんは「気にしすぎる自分がおかしいのか?」、と悩み、意を決して心療内科へ行きました。すると「病気ではないと診断されたのなら、考えないようにしなさい」と言われ、精神安定剤睡眠薬を処方されたのです。

薬を飲むことで睡眠不足は解消されましたが、昼間でも睡魔に襲われ、集中力がなくなり日常生活に支障をきたすようになりました。

「このまま薬を飲んでいたら大変なことになるのでは」と東洋医学に救いを求め、東洋はり灸整骨院へ来店されたのです。

東洋医学が考える唾液過多症状

石丸昌志

東洋医学的には、唾液は「脾(ひ)」と「腎(じん)」に関係しています。

「脾」は西洋医学でいう消化器系、「腎」は泌尿器系や生殖器系と考えればわかりやすいでしょう。

  • サラサラした唾液は「腎」
  • 粘りがあるものは「脾」

に関係しています。

その点を踏まえてMさんの体全体の状態をみていくと、

  1. 足の冷え
  2. 腰の重さ
  3. 消化器系の弱さ

を確認できました。

どの症状も「脾」「腎」が弱っているところからきており、その結果として唾液が多量に分泌されていたのです。

脾・腎から唾液過多症にアプローチ

お灸

大元の原因がわかったので、脾と腎の機能を改善させるツボに鍼灸施術を行いました。

すると、開始後6回目に「唾液が少し減った」ということが実感としてわかるようになりました。

それまで半信半疑だったMさんもその後は気持ちが前向きになり、週1回お越しいただき、合計12回目で唾液の量が普通に戻り、施術を終えることができました。

西洋医学と東洋医学の違い

唾液過多の場合、西洋医学では唾液しかみませんが、実際はその症状は樹木でいう枝や葉であり、幹の部分から改善していかなければ木は枯れてしまいます。

東洋医学では唾液と内臓の働きは密接に関係しているとされ、内臓を施術することで枝葉の症状も改善するのです。

信頼関係

また東洋医学では、施術者と患者さまの信頼関係がとても大切です。

カウンセリングや鍼灸を通して、私たちは患者さまの身体に毎回触れます。

その時に信頼関係ができていないと、どれほど正確なツボや経絡に鍼灸を施しても思うような効果は上がりません。

Mさんも施術効果が少しずつ現れたことで私たちを信頼しリラックスできるようになり、気が巡るようになり、どんどん改善していったのでしょう。

唾液過多症の解説動画

おわりに

西洋医学は、視覚化することとその部分を取り除くことに意義を見出す医学です。また、分類学も西洋医学の伝統で、身体を分類した上で治療する方法が14世紀のルネサンス時代から取られてきました。

対して、東洋医学では全身のバランスを調整することに努め、それによって自然治癒力が発揮できるようにします。

西洋医学は「木を見て森を見ず」、東洋医学は「森全体を見て木を治す」と表現されます。本記事を読んでいただければ、それをお分かりいただけるのではないでしょうか。

Mさんは現在すべての薬から解放され、充実した毎日を過ごしています。

唾液過多症をはじめ、原因不明と言われ体に不調をお持ちの方は、一度東洋医学専門の鍼灸院をお訪ねください。東洋医学の中でも鍼灸は即効性もあります。

東洋はり灸整骨院では髪の毛より細く、痛みのほとんどない使い捨ての「鍼」と最高級の国産「もぐさ」で熱くない施術を行っています。

スタッフ全員が国家資格を持っておりますので、安心してご相談ください。